１０年間愛用し、壊れた時計の約３ヶ月に亘るオーバーホール作業が完了し、手元に届きました。
この時計は私がヤナセ入社当時に、ヤナセのセールスマンたる者、あまりに安物の時計は出来ない！？との勝手な考えから、無理して３６回払いで購入した時計です。（そんなに高い物でもないですが）
さすがに、１０年も使用するとベルトはボロボロ、秒針も半年位前に外れていましたが、とうとう全く動かなくなりオーバーホールとなりました。
　事業を始める時に、資金として売るかどうか迷いましたが、やはりこれは仕事道具と思い、手放さなかった数少ない物です。
　ブライトリングには、専門のオーバーホールスタジオがあり、技術者達が精密で複雑なこの時計を一つ一つ分解、清掃、テスト、調整、磨き、交換、等してくれます。
その工程を考えれば、送料、消費税込みで4万という金額は、私も修理技術者の端くれとして考えても、とても安いものだと思います。
何しろ、手元に届いた時計は、まるで新品の様に光り輝いています。

　ちなみに、交換された部品も送られてきましたが、ブライトリングのBを形取った、繊細な秒針と、小さな割れたステーの様な部品２個、風が吹けば飛んで無くなりそうな部品達です。
この１０年間で廃棄される部品の少なさ！。正に地球環境を第一に思うスイスの時計です。
　技術者へ支払うこの４万、高いか安いか・・・これも考え方一つです。
私は、ブライトリング技術者のこの素晴らしい仕事に支払うこのお金に大満足で、かえって恐縮してしまいます。
私も技術者として、そう思われる仕事をしていきたい。
そう考えさせられる出来事でした。